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記事: Designer's Story

Designer's Story

30歳、
未来への自分を救たくて、
リーディンググラスのブランドを立ち上げた話。



その時の私は、歳をとるのが怖かった。
夢を叶えられないまま、時間だけがすぎていくのが怖かった。



23歳、駆け出しのグラフィックデザイナーとして、必死に貯めた100万円を握り締めて渡ったニューヨーク。

ニューヨークで出会った女性達は、エネルギーに満ち溢れ、カッコよく、美しかった。

彼女達はいつも本を読んでいた。
地下鉄で、公園で、玄関前の階段で、
Sex and the Cityのキャリーのように、ベットの中で一日の終わりに。

そして彼女達は会話の節々に、お気に入りの一文を引用した。
それはとても、とても美しかった。

彼女達は、私が小さな島国で気づき上げていた、短絡的な美への概念をいとも簡単に打ち壊した。


 

27歳、私は夢破れる形で日本へ帰国した。念願かなって手にしたアーティストビザを大使館で突然却下され、アストリアのアパートの荷物もそのままに帰国したのだ。

その後、日本で再開したグラフィックデザイナーの仕事は、ニューヨーク時代の苦労が嘘だったみたいに順調だった。
フリーのデザイナーになり、自由に沢山働いた。

でも心の中は、このまま、夢を叶えられないまま、
あいまいにしたまま、時間はあっという間にすぎて行くに焦りを感じ、
気づいたら、また歳をとるのがまた怖くなっていった。


30歳直前、

そんな自分を救いたくて、前に進むための挑戦をして、小さなブランドを立ち上げた。

BOOKART「本を読む人は美しい」がテーマのリーディンググラスブランド。

歳を重ねることが、楽しみなブランドを作りたくて選んだテーマだった。


 

あの時憧れたニューヨークの女性達のような人生が歩めるように。

そしていつかこのブランドがまたニューヨークへ導いてくれるように希望を込めて、小さく小さく、BOOKARTがスタートした。


 写真は一番人気モデル Cry Cityのファーストスケッチ